所長ご挨拶(過去の記事)


新年のご挨拶(平成20年)

新年を迎えるに当たり年頭の御挨拶を申し上げます。日頃より当センターへの格別の御支援御協力を賜りまして、厚く御礼申し上げます。

今日の労働者を取り巻く環境を見ますと、少子高齢化、企業間競争の激化、国際化、IT化、団塊世代の退職など、労働者にとっては極めて厳しい状況がみられます。また、非正規雇用の拡大により就業形態が多様化し、終身雇用の時代とは一線を画して心身共にストレスの多い状態にあると思います。それを反映して長時間労働等の過重労働による脳・心臓疾患や精神障害の労災認定件数が共に増加傾向にある事は職場環境により一層の配慮が必要となっております。

そのような状況の中におきまして、当センターにおきましては過重労働・メンタルヘルス対策をはじめとして一昨年施行されました改正労働安衛法を踏まえて各種のセミナーを開催したり、電話やメールによる相談など産業保健スタッフ等に対して啓発を行っておりますが、昨年も更にセミナーの講師陣を新たに加えて充実を図っているところであります。また、20年度より医療保険者による40〜74才までを対象とする特定健診・特定保健指導や50人以下の事業場に対しての長時間労働者の面接指導の実施が始まります。当センターといたしましても、その実施に向けてのサポートを出来るだけ対応してゆきたいと思っております。

職員一同、力を合わせて当センターの運営をスムーズに行い、利用して頂ける皆様のお役に立てれば幸いと思います。

今年も何卒宜しくお願い申し上げます。

これから期待される労働環境と産業保健の充実へ(さんぽいばらき第28号 掲載)

社会経済が回復基調によって景気が上向いたと言われておりますが、なお地方への有意な波及効果はあらわれておりません。 地域経済はまだ足踏み状態にあり、一部の好調な大企業に限定されているのが現状です。 労働者の働く環境に目を向けると、団塊世代の大量退職を向かえており、残された方々の働くことの量と質は更に厳しくなるものと予想されます。 厚生労働省の労働災害発生状況調査によりますと死亡災害は前年に比較し少し下回っているものの重大災害発生件数は増加していることも一つの表れかと思われます。 産業界は今、国際化、高度情報化等により企業間の競争が激化してますます生産の迅速化、正確化、そして効率化を求められております。 そのために労働者の働く事への過重感や負担感が重く肩にのしかかっております。 一方雇用関係の複雑化や就業形態の多様化が進んでおり、いわゆる正規、非正規社員の雇用制度の混在化が常態化し、非正規社員が3分の1に達し生産の重要な支え手になっております。

派遣、請負、契約、パートなど様々な非正規社員の態様があり、賃金格差だけでなく同一職場にいながら正規雇用とはかけ離れた労働条件に身体的精神的格差を感じる状態になっております。 今後、派遣社員等への健康管理においてもどの様に対応してゆくかが課題となってくると思われます。 一方正社員においては以前と比較して労働状況は一人で何役もこなすなどノルマも厳しくなり、又、残業時間、休日出勤などが増加しております。 昨年改正された労働安全衛生法により月100時間以上の残業時間の労働者に義務づけされた医師の面接指導をより徹底して、結果として精神疾患や心血管疾患などの生活習慣病を予防してゆくことが重要となっております。 更に労働時間以外の負担要因である不規則勤務、深夜勤務、交代制、又、日常的に精神的緊張を伴う業務によってストレスが蓄積しうつ病を初めとする精神疾患を発症するようになってしまいます。 平成10年以降、毎年3万人を超す自殺者がありますが勤労者による自殺は約7000〜8000人を数えています。 そして労災の申請や認定件数も上昇傾向を示し、海外からは過労死、過労自殺は日本特有の風土病だと揶揄されています。 職場全体として未然に発症予防する体制づくりや発症後の職場復帰対策を整えてゆくことが急務となっております。 国は平成20年度を目処に大幅な医療法の改正を行う予定としており、特に保険者に40才から74才までの中高年者を対象にして、健康診断や保健指導を徹底し、未然に心疾患や脳血管障害などの重篤な病態を予防して行くことを義務化しようとしています。 ただし職場においての作業環境や作業条件の状況や過重労働など労働という場の認識はあまりなく、又安全衛生法との整合性も現時点では明確でもありません。 今後この調整が図られると思われますが、事業場も一地域住民としての何かのパイプをもつことが職場の衛生管理に役立つものと思われます。 働き方の多様化への対応、又心の健康管理のあり方、そして地域との連携など産業保健にかかわる方々の複眼私的な視点が必要となり、一歩一歩行動を起こして行くことが大切になってくると思われます。

今後とも当センターに対してご協力、ご支援の程よろしくお願い申し上げます。

新年のご挨拶(平成19年)

年頭にあたり一言ご挨拶申し上げます。

新年明けましておめでとうございます。

さて最近の社会経済は景気の改善基調を反映して好調に推移しておりますが、労働現場においては必ずしも安全でかつ安定的な就労環境とは言えません。昨年1月から10月までの休業4日以上の労災件数が前年比で増加傾向を示しております事も1つの表れかも知れません。

その様な状況において昨年4月に改正労働安全衛生法が実施されました。当センターと致しましては改正法に出来る限り対応すべく支援してゆきたいと思います。特に昨年数回にわたり長時間労働には健康障害予防と対策についての説明会を開催致しました。依然として長時間の休日時間外労働を主な原因とする脳・心臓疾患は増加し、労災認定件数も高上りしている状況です。

又メンタルヘルス対策につきましては専門の相談員の先生方とご協力を頂いている先生に講師をお願いして、利用される方々のニーズにあったセミナーを開催致しましたが、本年も昨年同様にご要望に応えたいと思っております。その他従来通り、安全・作業環境・労働法制・カウンセリングなど、産業保健全般について出来る限り対応して参りたいと思います。

本年もよろしくお願い申し上げます。

着任のご挨拶(さんぽいばらき第25号 掲載)

今日、社会経済の再浮上の兆しが見え始めている中でも、中小事業所を含む多くの企業の経営環境はなお厳しく事業構築に躍起になっております。一方働く人々の労働環境も同様であり、仕事に対するストレスや不安を感じる割合も6割を超えております。即ち成果主義や効率第一を求められる一方で雇用形態の多様化や就業形態の変則化などによって、疾病の有病率の割合が半数近くに及び、虚血性の脳心臓疾患やうつ病を代表とするメンタルヘルス不全者を多く生み出し、結果として過労死や過労自殺など重篤な事態に陥ってしまいます。このような状態をより早く改善させないでいる事は生産性の低下を招き経営の悪化が危惧されています。一方地域環境の面から見ると、石綿による中皮種や石綿肺がんなどの石綿関連疾患が増加傾向を見せていますが、職場内にとどまらず工場周辺の住民や従業員の家族にも広がり環境問題にもなっております。このような健康管理をはじめとして、作業条件や作業環境など様々なリスクを早期に予知して早期に解決策を講じることが望まれています。今般、茨城産業保健推進センターに就任する事になりました。

この間、基礎を整えつつ当センターの業務を更に発展させてゆきたいと思います。又、県医師会や行政機関と蜜に連携を取りつつ地域産業保健スタッフの支援ができれば幸いです。ご指導ご協力をお願い申し上げます。